劇的な言葉 [雑感]

「自分はいかにして起業したか?」とか「どうやってポジティブに生きるか?」とかをネット上でひけらかすのが流行っているのだろうか? それとも何となくブログ書いてもしょうがないから「人様の役に立ってる」みたいな存在意義を求めているのだろうか? いずれにせよそれなりのフォロワーがいるということはモニターの前でお手軽な「自己啓発」を求める人が多いのだろう。SNSの中で「こらえ性のない人たち」が夢だけで生きて行こうする試み。

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誰かに何かを言ってもらって人生を変えたいと思っている人がいる。

だれかが言う。

「そのままのあなたでいいんだよ」

また誰かが言う。

「向上心を持ちなさい」

自分が求めていた言葉に出会えば人は一瞬生き生きとなれる。

しかし本当に「そのままの自分」でいたら全く進歩せずにいずれ誰からも相手にされなくなるだろう。

逆に度外れの向上心を持ってがむしゃらに努力したって体を壊してしまう可能性もある。

どちらにしても他力本願でやっていて結局うまく行かなければ「そのままの自分でいいなら成長しなくたっていいだろう」とか「成長しなきゃならないんだからそのままの自分じゃだめだろう」とか逆恨みして、しまいには「人を疑うことだけ」が得意になってしまう

「言われたことをやる」という癖が付いてしまった人間は、むしろ「自分の意志」で何かをやろうとする時にはかえって失敗ばかりするものだ。

「自分は言われたことしかできないと思い込んでいる人間」は、失敗によって自分が「自分の意志でやろうとしてもできない人間」であることを自分にも他人にも認めさせたいと思っている。

「劇的な言葉」を自分を変えるためではなく、変わろうとする自分を「裏切る」ために必要としている人がいる。

どうやったって脱け出せない。そんな人たちがどん底に落ちまいとして、ネット上で「同じタイプの人間」に体験談を売ることでかろうじて自己救済を図る。

タコがタコの脚を食べる。絶望的なインチキ商法だ。



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