原発離婚 [雑感]

とあるブログのコメントを見ていたら、びっくり。
夫に蹴られました (Unknown)2012-01-22 05:56:29 移住の話をしたら、「いい加減にしろ」と 太ももと腰を殴られました。 一晩たち朝になりましたが、まともに歩けないくらい痛いです。 離婚、といわれても、慰謝料も養育費も払わないと言われ、私はお金もないし、親もお金がないので、交通費すらありません。車もないです。 こういうとげとげした生活でどんどん体調が悪くなってる気がします。

、、、かわいそう。

(でも工作員の可能性もありますね。『避難しろ』とか無責任なこと言うから、家庭内不和で苦しんでる人がいる、だから『煽るな』みたいな。まあとりあえず鵜呑みにして一つのケースとして考えてみよう)

、、、かわいそうだけど、こういう男がいるのはよく分かる。

非常によく分かるし、およそあり得る話だし、結構な数いると思う。

「放射能」という目に見えない、影響が長期的・確率的にしか表れない「毒」に対して、しかも公に認められていない内部被ばくも含めて、「今」とか「この瞬間」とか「明日」とか「一ヶ月以内」とか、そういう短いスパンで確定的な証拠や結論を出せるはずがない。

テレビでは「大丈夫だ、安全だ、気にするな」としか繰り返してないし、いくら子どものためとは言え、「今すぐ移住」とか「すぐ仕事辞めて」とか、そんな「人生の決断」を、自分たちの意志ではなく「原発のせい」で、唐突に迫られるのだから、仕事で疲れた頭がぐるぐると混乱しても仕方がない。

会社でルーティンの仕事してその対価にお給料もらうような、それこそ一ヶ月単位で結果が出ることに慣れ切った「思考」が身に付いてる上に、そのルーティンをこなすのも精一杯、たまの休みには寝坊して自分の好きな事でもやりたいが、子供とも遊ばなきゃならないからさらにぐったりする。

そんなギリギリの生活でパンパンになってる脳みそに、「放射能の問題」を処理させるのは、足し算しかできない電卓に微分・積分やらせるようなもので、すぐにエラーが出てしまう。

パソコンだったらフリーズするだけだけど、人間には感情もあるから、それがコントロールできなくなると体が動いてしまう。つまり「暴力」だ。

「放射能」は体にも悪いが、頭にもキツい。あんまりストレス与えると逆切れされるのは目に見えている。

原子力はものすごく高度な技術であることは間違いなくて、その仕組みや核生成物の性質を理解して、さらに原発推進派の巧みな嘘を見破らなきゃいけないんだから、かなりの程度の分析力、読解力、想像力が要求されるだろう。

それを、もう「頭」がいっぱいいっぱいになって、放射能もインフルエンザもたいして変わらないように考えて、「悩んでるから病気になるんだ!」みたいに言うような筋肉系で、なおかつ頭が回らないとそのバランスを保つのに、脊髄反射的に「暴力」に訴えてしまうような人だと、正直「理解させる」というのは厳しいと思う。

東大出の「おりこうさん」がそういう「考えるのが苦手」な人たちをうまくダマくらかして、何十年もかけて「安心、安全」と洗脳して金を搾り上げてきたわけだし、その呪縛が原発爆発して10ヶ月経っても解けなかったのだから、作戦変更した方が良いと思う。

でも、実際はどうなんだろう?

以外に夫婦ってのは似てるから、夫婦揃って「放射能たいしたことない」って笑って過ごしてる人たちが多いんじゃないだろうか? このあいだ関東の某大型家具屋のカフェにいた、相変わらず「幸せそうな」大勢の子連れ家族みてそう思った。

だから、こういう「原発離婚」寸前の夫婦ってのは、元々根源的なところで考え方が異なっていたのに、何かの拍子で、焦って結婚したのか思い込みだったのか知らないけど、「たまたま」一緒になったカップルだと思う。

それが今までの日本だったら何となくうまく行ってたかもしれないけど、もしかしたら、いずれ夫が退職した後とかに、何らかの衝突が起きていたかもしれない。

放射能を巡る見解の相違ってのは、まさにそういう思考の「核」をあぶり出すわけで、もしそんな感じで夫婦関係の「溝」が早めに露呈してしまったのなら、どうしたらいいんだろう?

僕が思うのは、危機感を持ってたけど夫の無理解で10ヶ月経っても逃げられず、あげく夫に暴力振るわれたけど、生活圏の外部被ばく量を年間1mSv以下(平均0.12μSv/hぐらい)に抑えられる人は、は、とりあえずその場に留まってもいいと思う。

そして、とにかく徹底的に「食べ物」をどうにかするべき

これは「汚染地帯から逃げなくても平気」なんて勧めてるわけでは全然ない。年間10mSvの空間線量とか、ちょっと考えてしまう。

しかし、結局、国も自治体も動いてくれないのだから、各家庭それぞれの境遇、経済力、そんな条件を鑑みて、「リスクとベネフィット」を考えた上でギリギリの選択をするしかないわけだ。「俺はICRPか」とも思うが、まあ考えてみよう。

そういう境遇の人にも、「何やってんだバカ!金なんてなくてもいいからとにかく逃げろ!」という人が多いのだが、もうどうやっても逃げられないわけだから、たまにはオルタナティブな選択を提案してもいいと思う。

例えばこうだ。

空間線量で「大丈夫だ」「いや危険だ」やってるのは、ある種の目くらましだから、そんなことより国が勝手に「安全です」と言ってる「食べ物」に最大限の注意を払う。自分でインターネットで注文して、食費割り増しになってもいいから、検査済みの安心食材を西日本なり沖縄なりから取り寄せて、「子供に」食べさせる。

例えば義務的強制移住区域と言われてる福島県中通りだけど、公表値が「1.2μSv/h」の時に、僕の両親が実測した結果、自宅で「0.2」、路上平均「0.5」、市役所前「1.0」(これは公表値と一緒だった)、駅前のホテル8F「0.08」。

つまり、中通りでもマンションの上階に暮らしていれば、空間線量は東京の銀座の空間線量と変わらないし、年間被ばく量を「外部被ばく」だけに限定すれば、1mSv以下に抑えられる可能性もある。

もちろん学校の校庭とか公園とか放射線量が高いところはあるが、それでも「食べ物」の内部被ばくの方が僕は脅威だと思っている。

関東で「空間線量0.1μSv/hだ。たいしたことない」なんて言って(それでも平常値の5倍ぐらいだろう)、イオンで東北産の野菜買って冷凍品やレトルト食品食べてたら、福島だろうが関東だろうが被ばくに関してもはや程度の差はそれほどなくなってしまう。

だから、それで「逃げても逃げなくても一緒」とか言ってるのでは全くない。

日本中に汚染食品バラまいて『どこいっても同じだから、汚染地域にとどまれ』というのが、国の作戦なのかもしれないから、前提はあくまで空間線量の低いところ、土壌汚染の少ないところに逃げることだ。

しかし「関東ホットスポットから関西に避難して、やっと何も気にせず外食できる」みたいに無防備になっては本末転倒だ。

西日本に逃れても、東日本の食材が日本中に流通している。ファストフード、コンビニ弁当、缶詰、冷凍食品、お菓子、何が入ってるか全く分からないが、日本全国同じものが出回っている。

今のところ食材に関しては、日本中どこにいても同じ対策を取らなければいけない

だから、その境遇を逆転させる。

まず「放射能なんてたいしたことない」と言っている夫には何食わせたっていい。

気にしてない人だったらストレスも溜まらないだろうから、すぐに心筋梗塞になったりしないと思うし、あと10年ぐらいは生きるだろうから、そのあいだに身の振り方を考える。

そして、安心食材を手に入れるためには「金」が必要になる。

離婚して、移住して、0から再出発、女手一つで職も探しながら割高の安心食材を送料かけて取り寄せるのはキツいだろう。金がないせいで安い産地不明の野菜買う羽目になったり、ファミレスに通うようなことがあったら元も子もない。

それなら「放射能大丈夫だ」なんて言ってる男は、どうせロボットみたいに金稼ぐことしかできないんだから、そういうのは被ばくさせてもいいから「人間ATM」として利用した方がいい。

そうやって子供の内部被ばくを軽減させて、今後10年ぐらいその「ATM」から金を引き出してコツコツ貯金をする。

そして、子供が大学に行く時がチャンスで、西日本の大学を受験させる。海外留学だったらもっといいけど、お金をそこまで貯めるのは難しいだろう。

とにかく、「空間線量」から逃れるためだけに離婚するのは、リスクの方が大きい。

「金づる」と割り切って夫婦関係を続けて、「安全な食材」にその金を投資した方が、長期的に見ればはるかに被ばく量を減らせる。

どうせ全て「子供のため」なのだから、夫婦関係なんてどうでもいい。

セシウム食っても大丈夫だ、なんて言ってる夫の将来なんてどうなるか分からないのだから、「その時」に備えなければならない。

何より、子供の「内部被ばく」を減らすために最善の策を講じるべき。

だから結論は、10ヶ月経っても結局聞く耳を持たなかったような男とは、「原発離婚」はしない方がいい

今後どうしようもなく健康被害が出ても、「いや、まだまだ、大丈夫、関係ない」なんて言い張るだろうから、何言ってもムダだと思う。

100人のうち30人が病気になったって、70人は元気だ、そして俺たちはその30人には入らない、っていうような身勝手な確率論しか信用しない男は、自分が病気にならないと改心しないし、最悪病気になっても「これは放射能のせいじゃない」と、自分の否を認めるぐらいなら死ぬまでヤセ我慢するだろう。人間とはそういうものだ。

だから、この生きるか死ぬかの非常事態に、被ばくしても気に病むことなく「金」を稼いでくれるような貴重な人間と結婚したことを「幸運」と思って、きっちり利用した方が理にかなっている。

そのためにこの10ヶ月の苦悩があったと思えば、多少救われるだろう。

きっとその役目を果たすために、その「お父さん」は生まれて来たのだから、ありがたく使い倒してあげた方が本望だと思う。




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コメント 2

NO NAME

ありがとうございました。
by NO NAME (2015-01-08 04:18) 

あい

それなら「放射能大丈夫だ」なんて言ってる男は、どうせロボットみたいに金稼ぐことしかできないんだから、そういうのは被ばくさせてもいいから「人間ATM」として利用した方がいい。

この結論に励まして頂きました。ありがとうございました。
何度も見てしまいます。
by あい (2016-07-02 10:01) 

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