賭ける人たち [雑感]

福島原発爆発して放射能漏れて、もうどうすることもできないから、1億2000万人のうち1億人ぐらいの国民が生き残ればいいや、という賭けに日本は出た。

そう思ってしまえば、そう「思い込むことができれば」、後は楽だろう。

放射能の影響で10万人死のうが、100万人死のうが、健康被害が2000万人出ようが、残りの1億人がとりあえず働いて経済回してくれればいいわけだから、汚染食品食おうがガレキ拡散して燃やそうが、

「たいしたことじゃない」

だから、

「気にするな」

というわけだ。

それに、もしかしたら、内部被ばくにも「神風」みたいなのが吹いて、意外にみんな病気にならず、ひっそりと1万人ぐらいの犠牲で済むかもしれない、、、。

反原発派がこういう国の棄民政策に対して、

「もう終わりだ」

と言う。

1万人だって、100万人だって、放射能のせいで過剰死や健康被害が出るのだから、病気になったら「終わり」だろう。子どもは放射能感受性が強い上に、これから何十年も生きるのだから、その犠牲になる確率が大人より高いのは誰だって分かるだろう。

それが「終わり」の意味であって、「全員死ぬ」なんて誰も言ってない。

しかし、この「賭け」に出た人たちにとっては、「全員死ぬほどでなければ、何も終わりはしない」のだ。

だって、「死んだり病気になったりするのは、ひどくても今までの1.5倍とか2倍ぐらいで、残りの何千万人はピンピンしてるだろう」と思っているから。

そして、

「うちの子どもはならない」と思っているから。

今までずーっとそうやってきた。

とにかく「自分たちには」災難は降りかかって来ていないし、これからも降りかからない、と確信していて、自分たちが本当にそこに巻き込まれない限りは、「安全だ」と思い続ける。

僕らが、

「日本に強制移住区域が出来た。もう終わりだ」

と言うところで、この「ギャンブラー」は、

「いやいや、終わってないでしょう。これだけ爆発して放射能巻き散らして、『この程度』で済んだんだから、これは奇跡だよ。よかった、よかった。強制移住って言ったって10万人ぐらいでしょう? 健康被害で病気になるって言ったって、東日本全体で100万人ぐらいでしょう? 小ちゃい、小ちゃい。交通事故の方が危ないから。もう放射能気にしないで、この国難を乗り越えよう」

と言う。

「賭け」に出る人たちは、「損得で動く」から、

「原発再稼働しても、もしかしたら地震が来なくて、爆発しないかもしれないから、その時は『儲けもの』だ。それに廃炉にするまで何十年もかかるし、そのあいだに地震来たら、臨界中の事故よりはマシかもしれないが、被害は出るだろう。中国や韓国で事故が起きるかもしれない。止めてたって動かしたってたいして変わらないなら、動かして電力会社も潤って経済回った方が『得』だろう。その方が回り回って俺たち一般庶民の利益にもなるんだ」

と思う。

「俺の住んでる街まで被害に遭う? いやいや、それはない。絶対ない。うちはならないから」

と、生唾飲み込んで、

「一丁やってみますか?」

とまた賭けに出る。

この賭けはいつまで続くのか?

直下型地震で臨界中に圧力容器が吹っ飛ぶなんて言うレベル10ぐらいの事故が起きたら、日本どころか世界が破滅するから、その時は賭けも何も、ただ死滅するだけだろう。

もし「福島級の事故」なら、原発4基爆発してもこれなのだから、あと2〜3基爆発して内陸が広範囲に汚染されたとしても、今度は「100ミリシーベルトまで安全」とか言い出して、また「経済が、、、」と同じことを繰り返すだろう。

老朽化で全ての原発が廃炉になる20年後ぐらいには、諦めるかもしれないが、その間にもし事故が起きなかったら、その時はこう言い出すかもしれない。

「なんだ、大丈夫じゃないか。やっぱり何も起きなかった。じゃあもう1つ作ってみますか? 新しいヤツ」

------

安全か?安全じゃないか?

分からないから、「賭け」に出る。

そんな賭けで何とかなるほど、原発は甘くない、ということが、この福島の事故で分かったはずじゃないか?

「すっからかん」にならないと止められないのだろうか?




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