尿検査で7%の子ども 内部被ばく [被曝]

尿検査で7%の子ども 内部被ばく(NHKニュース11月5日 4時50分)
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、福島県南相馬市の乳幼児が放射性物質を体内に取り込む内部被ばくをしていないか、尿を検査したところ、7%の子どもから放射性セシウムが検出されました。検査を行った会社では、健康に影響が出るような内部被ばくはなかったとしています。
福島県などが行っている内部被ばくの検査は、ほとんどが専用の装置で姿勢を維持できる小学生以上を対象にしていることから、福島第一原発に近い地域では、検査を受けられない乳幼児のいる家庭から不安の声が上がっています。このため、東京の医療コンサルタント会社「RHCジャパン」は、南相馬市内の6歳以下の子どもを対象に、尿に放射性物質が含まれていないか検査しました。その結果、これまで分析を終えた1500人余りのうち、7%に当たる104人から放射性セシウムが検出されました。ほとんどは検出限界を僅かに超える1リットル当たり20から30ベクレルの範囲で、最も値が高かったのは1歳の男の子で187ベクレルでした。生涯に受ける放射線量は最大でも0.37ミリシーベルトと推定されるということで、検査を行った会社では、健康に影響が出るような内部被ばくはなかったとしています。今回の結果について、放射線医学総合研究所の明石真言理事は、「検証が必要だが、一つの目安にはなる。チェックを受けた食品をとれば今後も被ばくが大きく増えることはないと思う」と話しています。

もう、こういう報道止めませんか?

もう言ってることが奇怪なんですよ。

「みんな死ぬ」とか「子供が被ばくしてガンになる」とか騒ぐつもりはない。

だけど、こういう「あたかも何もないかのように」印象操作するような報道はやめた方がいい。

「健康に影響が出るような内部被ばくはなかった」って断言してるようにも見えるけど、

それを言ったのはこの「RHCジャパン」であって、文科省とか国の調査委員会とかじゃないですよね? 県の調査を受けられない幼児がこの民間会社にお願いしたのか、この会社が申し出たのか分からないけど、ある意味「非公式」っていうことですよね?

「健康に影響はない」って、まずは、その『健康』がずいぶんおおざっぱな括りだ。

健康=ガンにならない

って言う意味だったら、そりゃガンになるまで誰だって健康でしょう。

チェルノブイリの「健康被害」は、集中力の低下とか疲れやすいとか、ありとあらゆる症状を含んでいる。

それは「セシウムのせいだとは言いきれない」などと言うのだろうが、それなら「セシウムの影響かもしれない」という可能性は依然残されている。

その全てをひっくるめて、初めて「健康」ということが言えるわけだし、誰にとっても「健康」の定義ってそういうものでしょう。

ガンにならないから健康だ、なんて誰が言います?

セシウム被ばくについて、もっと25年後のチェルノブイリ事故の調査も含めて、子供の30年後40年後を見据えて、長期的、総合的な判断を国が主導してやらなきゃだめでしょう。

それが前提なのだから、少なくとも、この段階で「影響ない」って民間会社に言わせるのは、不誠実だと思う。

メルトスルーしてるって分かってるのに、「冷温停止」って言ってるのと同じ原理だ。

20-30ベクレルが検出限界だとか言ってるけど、そんなの精度上げようと思えばいくらでもできるだろう。何より、20ベクレル尿から出ること自体「悲劇」だし、187ベクレル出てる1歳児もいる。「生涯に受ける放射線量は最大でも0.37ミリシーベルトと推定される」なんて誰が計算したんですか?

この民間会社でしょう。

そんな「暫定的な、検証を要する」判断であるのに、そういうトーンは一切なし。

「20ベクレル。安心です」

この民間会社が一体どんな権威を持ってそう言ってるのか?

誰も責任取れないでしょう、こんなことやってたら。

で、何でここで「放射線医学総合研究所の明石真言理事」がコメントするのかも分からない。

しかも、またもう御用学者特有の気持ち悪い言い回しで、

「検証が必要だ」「目安になる」

極めつけは

「被曝が大きく増えることはないと思う

何をか言わんやだ。

「被曝が多少増えることはあり得る」
「被曝が大きく増えることはないと思うが、もしかしたらあるかもしれない

って言ってるわけでしょう?

「大丈夫だ」なんて、一言も言ってない。

だから、「健康に影響が出るような内部被ばくはなかった」って言ってるのは、

この「民間会社」だけって、ことになる。

それを、この報道だもの。

よく、こういう「言い回し」考えると思う。どういう仕事なんだろう? 楽しいのかな?

報道デスクのディレクターだか編成委員だか知らないけど、

「どう?冴えてるでしょう? 聞き流すと『たいしたことない』って思えるようなニュアンスうまく出てるでしょう? 誰も責任持ってはっきりそれを言ってないけど、間違ったことを言ってるわけじゃない。数字を見せて、判断はぼやかして、結論は何となく大丈夫と思わせる方向に持って行く。この微妙な匙加減が、腕の見せ所なんだよね」

なんてやってるのかね?

「間違ったこと言ってないからいい」じゃなくて「正しいことを伝える」のが報道の姿勢だし、NHKはその報道の「権威」なわけでしょう。

報道内容が暫定的だろうが、ガセネタだろうが、NHKが流せばそれなりに権威付けられた真理になる。(もちろん全ての人にとってではないが、全体としてはテレビを信じる人が多い)

そういう「自覚」はないのかな? ないはずないだろう。

それなのに、意図的にこういう報道してるなら、もっと質が悪い。

それとも、こういう子供じみた視聴者心理攻略スキルみたいなのが、創造的才能と見なされてるんですか? この業界では。で、それが仮に不誠実と感じられたとしても「やむを得ない」と目をつぶるのが「大人の分別」と。

追記:

まあ、しかし、「被ばく調査」にしても、「国民、県民を守る」ために真剣に取り組む姿勢があるなら、最初から避難勧告出して、ヨウ素剤配布もやってたと思う。

ここまで全て後手後手に回った国、県の「姿勢」がこういうマスコミの報道の仕方にも繋がっているのかと思うと、暗澹たる気持ちになる。



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oreophrynella

colinさま
明石真言氏がどういう人か知りたくてグーグール検索していて、たまたまこちらのブログに入りました。
私は勤めと子どもの世話に明け暮れてテレビはほとんど見るヒマのない1児の母です。(仕事柄、環境問題や3.11以降は原発関連の情報はよく検索しています。)
私は3.11以前は「原発はいやだな、どうすれば原発なくせるのかな」と、うっすらは思っていても、日本中にこんなに沢山の原発が稼動している実態もよく知らないただのおばさんでした。
でも3.11以降ははっきりと、いますぐにでも全ての国が脱原発に舵を切ってほしい、そうするにはどうすればいいのだろう、考えています。
colinさんがこのブログや9/1「確立論」などでおっしゃっていることは私にとってはものすごく「まっとう」に思えます。私の親しい人はみなあたりまえのように「脱原発・TPP参加反対」なので、そうでない人の理論は、読んでも読んでも「本気で言っているの?」と信じられない思いでいます。
そして「反-反原発」の人の書き込みってなんであんなにトゲトゲしいのかな、「まるで誰かに操作されているみたい…」と感じていました。
私は人の心理に疎いので、colinさんが理路整然と解きほぐしてくれて、
頭の中が少し整理できた気がします。ありがとうございます。
…ちなみに、ネイティブアメリカンの「7代先」に使われる「7」は具体的な数というより「たくさん」という意味だ、という説を読んだことがあります。
ずっとずっと先の子々孫々に恥ずかしくない決断をしたいものです。
by oreophrynella (2011-11-15 11:52) 

colin

周りにいる方が、脱原発で同じ意見を持っているならいいですね。僕は原発推進派よりも「しょうがない」と諦めてる人が気になります。たぶん、僕の周りにはいる人たちの多くは、そう思ってるのではないかと推測しているからです。そしておそらく、みんな恐ろしいぐらい悩んだ結果、そう選択するしかなかった。いつか、そういう人たちと直接話しをすることになった時に、どう伝えるか? その「言い方」について考えているつもりです。
by colin (2011-11-16 22:14) 

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