福島原発事故と大気圏内核実験のフォールアウト [被曝]
NHK 時論公論 「浜岡原発 津波対策は」
東電が、最低でも津波対策を取っていれば良かったのだ。非常用電源を山の上に移動しておいて、ベントもフィルター付けて、せめて爆発を防げれば良かったのに、と思う。
それでも放射能は漏れていただろうし、きっと大問題になったと思うし、ちっとも良いことじゃない。
だけど、もしそのぐらいで済んだなら、「60年代の大気圏核実験でも日本人は被曝してたけど、たいしたことなかった」なんて言う話も、多少の慰めにはなったと思う。
ところが、原子炉が3基もメルトダウンして大爆発、使用済み燃料プールも爆発、土壌汚染はチェルノブイリ級、原子炉の中身が出ちゃったかもしれないし、メルトスルーした燃料はどこにあるかも分からない。
そんな現実があるのに、「大気圏核実験でもセシウム吸い込んで、その当時の中学生の尿からセシウム出てる」なんて、一体何のつもりでそんなこと言うのだろう?
よく出てくるのがこの図なんだけど、これ見ていつも思うのは、
「なんだ、ストロンチウムちゃんと測ってんじゃん!」と言うこと。
α線は測るの難しいって、10ヶ月も経ってまだ測れないって、あり得ないでしょう。つくばでは2007年ぐらいまで毎年プルトニウムの測定値だって出してるみたいだし、原発事故後全く発表しないってことは逆に「相当まずいんだろうな」と思ってしまう。
気象庁気象研究所 大気降下物及び海水中のプルトニウム
で、この図だと、何だか福島たしかにたいしたことなさそうに見えるけど、これは目盛りが対数グラフっていうので、一目盛りが10倍ぐらいになってる。普通は、1目盛り増えれば10増えるとか100増えるとかだけど、1目盛りで最初が10、次が100、次が1000、10000って具合に10倍になってるので、高い数値が見た目は少なく見える。だから、グラフっていう視覚的なものなのに、「数字」を見なきゃならない。これなら エクセルデータみたいな、
こういう表の方が、数字を比較して、「うわ、ひどい」と分かると思う。
だから、そのグラフを視覚的に正確に表すと(誰かが作ってくれたものを拝借します)、
こういう風になる。
福島がとても低いのでびっくりするけど、3月27日まで震災の影響でデータが計測不能だったので、それ以降の「だいぶ落ち着いてからの」データしか入っていないようです。宮城はそれ以降も計測不能なので入っていないようです。
ものすごい量のフォールアウトですが、これはセシウム137だけのようです。
おそらくセシウム134は137の同量ぐらい降ったのでしょうから、数値は倍になります。
そのうえ、確認したわけではありませんが、3月11日〜17日のデータがごっそり抜けているらしいです。
もっともフォールアウトのひどかった3/15とかのデータが反映されてない。
それを入れたらきっと、グラフはパソコンのモニターをはみ出てしまうんじゃないだろうか?
もう比べること自体がばかばかしい量だと思います。
とにかく、どれぐらいの量なのか分からないが、過去最悪の「とんでもない量」であることは間違いないし、これはもう否定しようのないことです。
このとんでもない量のフォールアウトが、これから何十年も環境中を循環して、食べ物から大気から体内に入ってくる。
今まで日本人が経験したことのない世界で、チェルノブイリしか参考にならない。
空間線量だけ測って、「もう福島原発事故終わった」なんて言ってる場合じゃない。
「これからどうするのか?」ということについて、本当に真剣に考えなければいけない。
2012-01-14 13:20
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昨晩のNHKの東京湾汚染を観て暗澹たる気持ちです。
陸に降った放射性物質が雨で河川から海に行くことは分かっていましたが、汽水域であんなに塩による沈殿が起こるとは。そして生態系循環…
ムルロア環礁といい、仮に人類以外の生き物の被害を全く無視したとしても、どんどんヒトが棲めない(棲むべきでない)エリアを増やして、人類は一体どこへ逃げられるというのでしょう。
by oreophrynella (2012-01-16 17:29)
降下量100から上が対数目盛になっていないのは恣意的
降下量1000の目盛りは間違い
ストロンチウム+セシウムで表さないと今回の降下量と比較できない
急激に降下量が減少しているが被曝量としては少ない
被害を強調したいのはわかるがこの図誤解を招く事を意図している
by OH (2012-05-28 03:19)
失礼しました。間違って操作してしまいました。
by kaze (2013-01-30 11:24)