ベータ線の外部被ばく [被曝]
ベータ線が気になる。
ベータ線って「ガイガーカウンターの値を10倍ぐらいにするから測っても意味がない」とか「アルミ一枚で遮蔽されるから外部被ばくしない」とか「皮膚で止まるから気にしなくて良い」とか言われて、体内に入って内部被ばくしない限り「あってもなくてもどうでもいい」みたいに扱われてる。
ちょっとおかしくないですか?
何かこういうことらしいんだけど、ガイガーカウンターのGM管の中に飛び込んで来たγ線は10個に1個ぐらいしかカウントされなくて(残りの9個は取りこぼす)、だからそのカウント数にセシウムの係数を掛けてシーベルト換算してるらしい。
そこにベータ線が飛び込んでくると(電子ですよね?)、ベータ線の方が取りこぼしがなくて10個中10個ぐらいはカウントする。つまり、そうするとその10個をシーベルトに換算しちゃうから、「10倍の値が出る」ということになる。
(ちなみにRADEXのRD1008は、このGM管が2つ入っていて、裏にくっ付いてる「窓」を開けると、一つのGM管でそこから入ってくるベータ線をカウントして、もう一個の方でγ線だけをカウントしてシーベルト換算するので、とても優秀です。)
だけど、ちょっと待てよ、と思う。
だって、「ベータ線」をカウントしてるってことは、「そこに放射性物質がある」ってことだ。
だいたい市販の簡易型のガイガーカウンターなんて、数値を見るというよりは、アラームがなって「危ない、放射能がある、逃げろ!」というのを警告するためにあるようなものだ。
だから、高い値が出ようが少なかろうが、確実にそこに「放射性物質がある」ことは教えてくれる。
ところが、それを「ベータ線は無視して良い」と言って、シーベルト換算すると、
「0.1μSv/hだから、年間0.8mSv、はい安全です、良かった、良かった」となる。
まるで「放射性物質」なんてどうでもいいように。
ええ?と思いませんか?
だって、0.1μSv/hってことは、関東の平常値から比べると「5倍」ってことです。
空間線量が「5倍」になるってことは、そこに4万ベクレル/平方メートルのセシウムがあるってことだ。
で、4万ベクレル/平方メートルってのは法律で決められている放射線管理区域だ。
まさか、と思うかもしれないけど、僕の仕事場も航空機モニタリングだとセシウム134と137合算で1万-3万ベクレル/平方メートルになってるんだけど、空間線量は0.1μSv/hぐらいだった。そして近くの日本分析センターの土壌沈着量はだいたい5万ベクレル/平方メートルなので、空間線量との整合性を見ても、「5万ベクレル」の方が正しいと思う。
東京もあちこち計測したけど、銀座だって0.08-0.10μSv/h、議員先生の通う国会議事堂の周りは0.10-0.12μSv/hだったから、同じ理由で「放射線管理区域」に近くなる。
つまり、関東一円放射線管理区域がそこかしこにあって、そこに何千万人も住んでいる。
だから、どっちかっていうと、ガイガーカウンターでβ線測ってびっくりするぐらいの方が、土壌汚染の程度を認識するにはちょうどいいのかもしれない。
だから「空間線量、空間線量」とばかり言うのは、それを年間被ばく量「1mSv以下」でまとめられるからだ。
そうでなければ、1年経ってもまだ「土壌汚染調査」しない、なんておかしいと思う。
小出さんは「原子炉実験所の中でも1万ベクレル/平方メートルなんていう場所はあまりないし、入りたくない」と言ってたけど、僕はそこまで悲観的には考えてなかった。
たしかに土壌汚染はされてしまったけど、セシウムの再浮遊とかそれほどないだろうし、雨で下水に流されるから、「放射線管理区域」って言ったってたしかに「外部被ばく」だけで見れば、まだ余裕があるだろう、それより食品からの内部被ばくが問題だって思ってた。
でも、何か「なんでこんなにベータ線を『無視していい』なんて言うんだろう」と思い始めた。
ベータ線って「アルミ一枚で遮蔽する」って言うけど、じゃあ皮膚は?と思う。するとやはり、
しかし、これもやっぱり「ガンにはならない」と一緒で、「熱傷にはならない」かもしれないけど、ある種の「低線量被ばく」になるのではないか?と思う。
「紫外線よりもたいしたことない」みたいに言う人がまた出て来そうだけど、それもまた「自然放射線に比べてたいしたことない」という話と一緒だ。
紫外線だってみんな浴びないように注意してるんだから、ベータ線なんて誰も浴びたくない。
それを「気にしなくていい」なんて言うのは、やっぱり「放射性物質そのもの」をないものとしてもらいたいんだと思う。
それで、β線ってどれぐらい飛ぶんだろうか?と思ったら、セシウムから出るβ線の一部は、飛距離が1mぐらいあると言う。
アスファルトにこびりついたセシウムはもう何十年も落ちないから、身長1mの子どもなんて全身にγ線に加えてβ線を浴びることになる。
チェルノブイリの健康被害で「老化」ってのがあるんだけど、皮膚に浴びる低線量β線被害の報告とかないんだろうか?
もう一つ気になるのは、ICRPが定めてる「組織荷重係数」っていう、身体の部位に放射線がどれぐらいの影響を与えるかという数字があるんだけど(たぶんセシウムのγ線の基準だと思うが)、
それで見ると皮膚が0.01なのに対して生殖腺は0.2になってる。つまり生殖腺は皮膚よりも放射能のダメージを受けやすい。
つまり股下80cmだったら、β線が「股間」を直撃してしまう(皮膚で止まるのかもしれないが)。
もちろん「永久不妊」とか言うと、また2000mSv受けなきゃ大丈夫、みたいな話になるが、チェルノブイリで「不妊」だって問題になってるのだから、低線量だってどうなるか分からないだろう。
これは東電に鉛の貞操帯でも用意してもらうか、自己防衛で「ロンドンブーツ」とか「高下駄」とか履いて、少しでも地面から離れないととますます少子化になる。
やっぱりだめだ。放射能は良い事なしだ。
ベータ線って「ガイガーカウンターの値を10倍ぐらいにするから測っても意味がない」とか「アルミ一枚で遮蔽されるから外部被ばくしない」とか「皮膚で止まるから気にしなくて良い」とか言われて、体内に入って内部被ばくしない限り「あってもなくてもどうでもいい」みたいに扱われてる。
ちょっとおかしくないですか?
何かこういうことらしいんだけど、ガイガーカウンターのGM管の中に飛び込んで来たγ線は10個に1個ぐらいしかカウントされなくて(残りの9個は取りこぼす)、だからそのカウント数にセシウムの係数を掛けてシーベルト換算してるらしい。
そこにベータ線が飛び込んでくると(電子ですよね?)、ベータ線の方が取りこぼしがなくて10個中10個ぐらいはカウントする。つまり、そうするとその10個をシーベルトに換算しちゃうから、「10倍の値が出る」ということになる。
(ちなみにRADEXのRD1008は、このGM管が2つ入っていて、裏にくっ付いてる「窓」を開けると、一つのGM管でそこから入ってくるベータ線をカウントして、もう一個の方でγ線だけをカウントしてシーベルト換算するので、とても優秀です。)
だけど、ちょっと待てよ、と思う。
だって、「ベータ線」をカウントしてるってことは、「そこに放射性物質がある」ってことだ。
だいたい市販の簡易型のガイガーカウンターなんて、数値を見るというよりは、アラームがなって「危ない、放射能がある、逃げろ!」というのを警告するためにあるようなものだ。
だから、高い値が出ようが少なかろうが、確実にそこに「放射性物質がある」ことは教えてくれる。
ところが、それを「ベータ線は無視して良い」と言って、シーベルト換算すると、
「0.1μSv/hだから、年間0.8mSv、はい安全です、良かった、良かった」となる。
まるで「放射性物質」なんてどうでもいいように。
ええ?と思いませんか?
だって、0.1μSv/hってことは、関東の平常値から比べると「5倍」ってことです。
空間線量が「5倍」になるってことは、そこに4万ベクレル/平方メートルのセシウムがあるってことだ。
で、4万ベクレル/平方メートルってのは法律で決められている放射線管理区域だ。
まさか、と思うかもしれないけど、僕の仕事場も航空機モニタリングだとセシウム134と137合算で1万-3万ベクレル/平方メートルになってるんだけど、空間線量は0.1μSv/hぐらいだった。そして近くの日本分析センターの土壌沈着量はだいたい5万ベクレル/平方メートルなので、空間線量との整合性を見ても、「5万ベクレル」の方が正しいと思う。
東京もあちこち計測したけど、銀座だって0.08-0.10μSv/h、議員先生の通う国会議事堂の周りは0.10-0.12μSv/hだったから、同じ理由で「放射線管理区域」に近くなる。
つまり、関東一円放射線管理区域がそこかしこにあって、そこに何千万人も住んでいる。
だから、どっちかっていうと、ガイガーカウンターでβ線測ってびっくりするぐらいの方が、土壌汚染の程度を認識するにはちょうどいいのかもしれない。
だから「空間線量、空間線量」とばかり言うのは、それを年間被ばく量「1mSv以下」でまとめられるからだ。
そうでなければ、1年経ってもまだ「土壌汚染調査」しない、なんておかしいと思う。
小出さんは「原子炉実験所の中でも1万ベクレル/平方メートルなんていう場所はあまりないし、入りたくない」と言ってたけど、僕はそこまで悲観的には考えてなかった。
たしかに土壌汚染はされてしまったけど、セシウムの再浮遊とかそれほどないだろうし、雨で下水に流されるから、「放射線管理区域」って言ったってたしかに「外部被ばく」だけで見れば、まだ余裕があるだろう、それより食品からの内部被ばくが問題だって思ってた。
でも、何か「なんでこんなにベータ線を『無視していい』なんて言うんだろう」と思い始めた。
ベータ線って「アルミ一枚で遮蔽する」って言うけど、じゃあ皮膚は?と思う。するとやはり、
ベータ線は真皮まで到達する透過力があるので、皮膚などに高濃度の線源が付着すると熱傷状の障害を与える。弱いアルファ線や、ほとんど透過するガンマ線やエックス線よりも、皮膚への障害が大きくなる。ということだから、影響はあるのだ。もちろん「熱傷」なんてするのは原発作業員が高濃度汚染水に足を突っ込だりした場合で、今の土壌汚染程度なら、たしかに「無視していい」レベルなのかもしれない。
しかし、これもやっぱり「ガンにはならない」と一緒で、「熱傷にはならない」かもしれないけど、ある種の「低線量被ばく」になるのではないか?と思う。
「紫外線よりもたいしたことない」みたいに言う人がまた出て来そうだけど、それもまた「自然放射線に比べてたいしたことない」という話と一緒だ。
紫外線だってみんな浴びないように注意してるんだから、ベータ線なんて誰も浴びたくない。
それを「気にしなくていい」なんて言うのは、やっぱり「放射性物質そのもの」をないものとしてもらいたいんだと思う。
それで、β線ってどれぐらい飛ぶんだろうか?と思ったら、セシウムから出るβ線の一部は、飛距離が1mぐらいあると言う。
アスファルトにこびりついたセシウムはもう何十年も落ちないから、身長1mの子どもなんて全身にγ線に加えてβ線を浴びることになる。
チェルノブイリの健康被害で「老化」ってのがあるんだけど、皮膚に浴びる低線量β線被害の報告とかないんだろうか?
もう一つ気になるのは、ICRPが定めてる「組織荷重係数」っていう、身体の部位に放射線がどれぐらいの影響を与えるかという数字があるんだけど(たぶんセシウムのγ線の基準だと思うが)、
それで見ると皮膚が0.01なのに対して生殖腺は0.2になってる。つまり生殖腺は皮膚よりも放射能のダメージを受けやすい。
つまり股下80cmだったら、β線が「股間」を直撃してしまう(皮膚で止まるのかもしれないが)。
もちろん「永久不妊」とか言うと、また2000mSv受けなきゃ大丈夫、みたいな話になるが、チェルノブイリで「不妊」だって問題になってるのだから、低線量だってどうなるか分からないだろう。
これは東電に鉛の貞操帯でも用意してもらうか、自己防衛で「ロンドンブーツ」とか「高下駄」とか履いて、少しでも地面から離れないととますます少子化になる。
やっぱりだめだ。放射能は良い事なしだ。
2012-02-03 02:03
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コメント(2)
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聞きかじりの知識で不安になっている典型ですね…
「正しく恐れることが最も重要で難しい」です。
by 通りすがり (2012-10-16 02:25)
聞きかじりの知識で安全と思い込めているわけですね...
by colin (2012-10-16 04:23)